はじめに
ニュースなどで「私人逮捕」という言葉を聞いたことはありませんか?これは市民が犯人を取り押さえる行為ですが、「本当にやっていいの?」「自分が訴えられる可能性は?」と不安に思う方も多いはず。
この記事では、私人逮捕の基本と注意点をわかりやすく解説します。
私人逮捕とは?
私人逮捕(しじんたいほ)とは、一般の市民が条件を満たした場合に、犯罪者を逮捕できる制度です。日本では刑事訴訟法第213条・214条で認められています。
私人逮捕ができる条件
現行犯・準現行犯であること
- 現行犯人:犯罪中または直後の犯人
- 準現行犯人:逃走中で状況から明らかに犯人と判断できる人
例: 万引き直後に逃げる人、血のついた凶器を持っている人 など
重大な犯罪であること
私人逮捕できる可能性がある犯罪:
- 窃盗(万引き)
- 暴行・傷害
- 強盗・詐欺
私人逮捕に適さない軽微な犯罪:
- 軽い交通違反
- 騒音・落書きなど
軽い違反で逮捕すると、監禁罪などに問われる可能性があります。
私人逮捕の正しいやり方
最小限の力で取り押さえる
- 暴力は必要最小限に
- 相手が抵抗しなくなったら拘束をやめる
すぐに警察へ通報・引き渡し
- 110番で通報
- 長時間の拘束はNG(不法監禁になる可能性)
自分の安全を最優先に
- 相手が武器を持っている、複数人いる場合は無理をしない
- まず通報が基本
私人逮捕のリスク
- 法的リスク:監禁・暴行・傷害で訴えられる可能性
- 身体的リスク:反撃や怪我の恐れ
- 心理的負担:手続きや精神的ストレス
実際のケース例
✅ 認められるケース
- 店員が万引き犯を取り押さえてすぐ通報
- 通行人がひったくりを追い、警察に引き渡す
❌ 認められないケース
- 怪しいだけの人を拘束
- ネットの告白だけで逮捕行為
- 過去の犯罪を理由に拘束
現行犯でない場合、私人逮捕は成立しません。
まとめ
私人逮捕は、正しい条件で行えば市民にも認められた行為です。しかし、判断を誤ると逆に犯罪者として訴えられるリスクもあります。
重要なポイント:
- 現行犯・準現行犯であること
- 必要最小限の力で拘束し、速やかに警察へ引き渡す
- 自分の安全を第一に考える
無理はせず、まずは警察に通報するのが基本です。
※この記事は一般的な法的情報を提供するものであり、具体的な法的アドバイスではありません。必要に応じて弁護士などの専門家にご相談ください。