日本では「学歴社会」と言われることがありますが、実際に学歴によってどれほどの収入差が生じているのでしょうか?
本記事では、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、学歴・年齢別の年収データをわかりやすく解説します。
学歴別平均年収(全年齢平均)

💡 参考:男性大卒(43.4歳)で年収806.8万円、大学院博士(46.5歳)では995.6万円というデータもあります。
年齢別・学歴別の年収推移
🔹 20代後半(25〜29歳)
学歴年収
高校卒320万円
大学卒380万円
大学院卒420万円
学歴による差は月額で約5〜8万円。差は小さいですが、徐々に拡大します。
🔹 30代前半(30〜34歳)
学歴年収
高校卒420万円
大学卒520万円
大学院卒580万円
高校卒と大学院卒では160万円の差。昇進や職務内容が影響し始める年代です。
🔹 40代前半(40〜44歳)
学歴年収
高校卒520万円
大学卒680万円
大学院卒780万円
管理職に登用されるかどうかが格差に直結します。
🔹 50代前半(50〜54歳)
学歴年収
高校卒580万円
大学卒780万円
大学院卒920万円
差は最大340万円。年齢とともに格差が固定化されていきます。
生涯年収の違い
22歳〜60歳まで働いた場合の推定生涯年収は以下の通りです。学歴生涯年収高校卒約2億円大学卒約2億6,000万円大学院卒約3億円
💡 大学進学によって約6,000万円、大学院卒では約1億円の年収差が生まれる可能性があります。
有名大学別の年収ランキング(30歳時点)
順位大学名想定年収
1位東京大学810万円
2位一橋大学780万円
3位慶應義塾大学720万円
4位東京工業大学710万円
5位早稲田大学680万円
トップ大学出身者は30歳の時点で、すでに平均大卒年収を大きく上回っています。
学歴別の初任給

学歴初任給(2022年)高校卒18.4万円高専・短大卒19.8万円大学卒22.8万円大学院修士25.6万円
高卒と大卒で約4万円、大卒と大学院卒で約3万円の差があります。
男女間の年収格差
同じ学歴でも、男女で年収には明確な差が見られます。
年齢が上がるにつれて、男女間の格差も拡大していきます。
学歴で年収差が生まれる理由
✅ 就職先の違い
高学歴ほど大手企業や高収入業界への就職率が高くなります。
✅ 昇進機会の違い
管理職登用において「大卒以上」を条件とする企業も多くあります。
✅ 専門職への就職
医師・弁護士・会計士など、資格職は高学歴者が多くを占めています。
✅ 転職のしやすさ
高学歴ほど、転職市場で有利なケースが多いです。
学歴投資の費用対効果
教育機関費用の目安
国立大学(4年)約250万円
私立大学(4年)約500万円
大学院(2年)約200万円
生涯年収の差(6,000万〜1億円)を考えると、教育投資としての費用対効果は高いと言えます。
まとめ|データが語る“学歴格差”の現実

- ✅ 20代:格差は月5〜8万円と小さい
- ✅ 30代以降:年収差は急激に拡大
- ✅ 生涯年収:最大1億円の差がつくことも
- ✅ 教育費を考慮しても、大学・大学院進学の投資効果は大きい
🌱 学歴だけがすべてではない

学歴による平均的な傾向は明確に見られる一方で、年収には「スキル」「経験」「業界」「戦略的な転職」など多様な要素が影響します。
自身のキャリアをどう築くか、どんな分野でスキルを伸ばしていくかが、これからの時代ではますます重要です。